淡紅銀鉱 proustite 濃紅銀鉱 pyrargyrite

淡紅銀鉱Imiter mine ,Morocco

ルビーシルバー

  • 淡紅銀鉱 Proustite (プルースタイト)
  • 濃紅銀鉱 Pyrargyrite (ピラージライト)(パイラルガイライト)(パラージライト)

この二つはともに銀鉱石。
(※濃紅銀鉱は読み方いっぱいですが、どれが本当なんでしょう。私はピラージライトだと思ってました…)

鉱石とは、鉱業用の採掘の対象となる鉱物や岩石のことです。
銀の混じった石から銀を取り出すと利益があります。
その”利益”がでる石のことを鉱石といいます。

この二つは見た目もとても似通っていて、その姿から二つ合わせて通称ルビーシルバーと呼ばれています。
この二つを比較しながら見ていきたいと思います。

基礎データ

淡紅銀鉱 濃紅銀鉱
分類 硫化鉱物 硫化鉱物
結晶系 三方晶系 三方晶系
化学式 Ag3AsS3 Ag3SbS3
へき開 明瞭 明瞭
硬度 2~2.5 2.5
比重 5.6 5.8
暗赤色 暗赤色
条痕 暗赤色 暗赤色

とても似ていますね。

ヒ素とアンチモン

淡紅銀鉱の As ヒ素 と、濃紅銀鉱の Sb アンチモン が置き換わるとそれぞれの鉱物となっています。
固溶体の関係です。

As ヒ素 毒と薬

”毒”として使用される話が多いですね。
その昔、食事にもって暗殺を・・・という話や、最近ですと和歌山毒物カレー事件がありました。
皆さんご存知の四谷怪談のお岩さんはヒ素化合物が原因で、亜ヒ酸を盛られたとのこと。
亜ヒ酸は無味無臭で食事に入っていても気づかないそうです。
毒以外には半導体や赤色発光ダイオード等で使われています。

また”薬”としては急性骨髄性白血病の治療薬として亜砒酸製剤が04年に厚労省より承認されています。
歯科でも”亜ヒ酸パスタ”を使用した、歯髄失活剤が存在します。
これは、虫歯が進行してしまったとき、神経抜きましょうと言われることがあるかと思いますが、歯の中の神経を麻酔を使わず薬で失活(壊死)させるものです。
近年では使う先生は少ないかと思います。

Sb アンチモン

活版印刷の活字に使われている銀色の文字の形をかたどっているあの材質は、アンチモンと鉛の合金です。
古代のエジプトではアイシャドウに使用していたとのこと。
ですが毒性があることがわかり、アイシャドウや化粧品など、体に直接触れるものでは現在使われていません。
また、布やゴムなどに混ぜると難燃性となるため、三酸化アンチモンが使われています。

また、興味深い内容としては…

本学と九州大学などの研究グループは、鹿児島湾奥部海底で 2007 年に発見した熱水噴
出孔の海底下に、レアメタルの一つアンチモン(Sb)を主成分とし、金を含む有望な鉱床が
存在することを確認した。アンチモンは輝安鉱として含まれ、その鉱体の埋蔵量は 1500
万トン程度、品位 6%Sb(アンチモンとして 90 万トン)と推定される。この量は、国内で
1 年間に消費されるアンチモンの 180 倍に達する。同様の海底資源は我が国近海にまだ多
く眠っていると考えられ、レアメタルの自給への道が将来開けるものと期待される。
※本学とは岡山大学大学院自然科学研究科
鹿児島湾奥部海底に有望なレアメタル鉱床を確認

1年間で消費される180倍…すごいです。
以前は日本でも産出がありましたが、現在は輸入しているとのことで、今後に期待です!

光での変化 保管に注意

濃淡共に光に弱く、黒い紙に包んでの保管が望ましいです。
黒く変色することと透明感が落ちますので、必ず遮光にて保管しましょう。
そのスピードは濃紅銀鉱のほうが早く、比較的早く黒く変色してしまいます。

色味の違い

淡と濃のネーミングの通り、濃紅銀鉱のほうが赤みも暗く透明度も低いです。
とはいうものの結晶そのものの大きさなどにもよりますが、肉眼で見分けるのはなかなか厳しいです。
(淡紅銀鉱は硝酸に弱く、火に溶けやすい性質があります。)

産出地 産状

淡紅銀鉱・濃紅銀鉱ともに、アメリカ・メキシコ・チリ・ドイツ・イタリアなどがあります。
日本では、

淡紅銀鉱
栃木県西沢鉱山
新潟県佐渡鉱山
兵庫県生野鉱山
濃紅銀鉱
宮城県細倉鉱山
鹿児島県串木野鉱山

濃淡ともに低温の熱水鉱脈にみられ、濃紅銀鉱は火閃銀鉱と同質異像で、こちらは熱水鉱脈高温タイプとなります。
同質異像(多形)とは、化学組成が同じで結晶構造が異なる(原子の配置が異なっている)もの。
圧力や温度など、石が作られるときのちょっとした変化によって、どの石になるか決定される性質を持ちます。

一緒に産出される鉱物として、

淡紅銀鉱
方鉛鉱 黄鉄鉱 閃亜鉛鉱 等
濃紅銀鉱
方解石 苦灰石 方鉛鉱 石英 閃亜鉛鉱 等

があります。

名前の由来

淡紅銀鉱(プルースタイト)は、定比例の法則を提唱したフランスの化学者ジョセフ・プルースト(1754年9月26日- 1826年7月5日)に因んでのネーミングとのことで、濃紅銀鉱は(ピラージライト)は、ギリシャ語で”火”→”ピル”と”銀”→”アルグロス”が語源とのことです。

意味 いわれ

資料がほとんどなく・・・読んだものによると、

淡紅銀鉱
ラッキーを逃がさないように導く
自己主張が穏やかにできるように導く
濃紅銀鉱
たくさんの情報から自分にとって有用なものを選び取り、行動へ導く

とありました。
参考までに。

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TENDER TIME
小さい頃から石が好き。 そのまま大人になりました。 鉱物についてのブログを書き始めて、気がつけばいしのみせ TENDER TIMEの主となりました。

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