ドロマイト Dolomite

blue dolomite-Boyaca Colombia

ドロマイトとは

和名を苦灰石(くかいせき)。
別名で白雲石 (はくうんせき)と呼ばれています。
名前の由来はフランス鉱物学者ドロミューにちなんでつけられました。
ドロミューはそれまでカルサイトのおまけ的な位置づけであった苦灰石を独立鉱物として確認した人です。
堆積岩の一つに苦灰岩(ドロストーン)がありますが、この苦灰岩の主要構成成分はもちろん苦灰石です。
苦灰岩の殆どは苦灰石化作用によって石灰岩が苦灰岩で交代されたものです。

苦灰岩(苦灰石)の誕生~苦灰石化作用とマグネシウム

堆積岩は、川や海の流れと共に石が運ばれ、長い年月の間に積み重なり、後から運ばれてきた石は先に運ばれた石の上に堆積し、その重さでじわじわと押し固められていきます。
この気の遠くなるような年月をかけて積み重なった石・砂・若しくは生物の遺骸からなる岩石をいいますが、そのひとつである石灰岩は石灰質の殻を持つ生物の遺骸と科学的な沈殿(液の中に混じっている物質が沈む)が混じった岩です。
この石灰岩に、マグネシウムが混じった水(例えば海水)の存在があると、苦灰石化作用が発生します。
その発生プロセスは以下2通りです。

  1. 浅い海が何らかの要因で水が引いて蒸発するとそこに生息していた生物の遺骸もその場に沈殿し、海水に含まれるマグネシウムが作用する。
  2. すでに固まった(出来上がった)石灰岩に何らかの要因でマグネシウムを含んだ水分が浸透する。

こうして苦灰岩(苦灰石)は誕生します。
ちなみに、苦灰岩(苦灰石)は化石があるのでは?と思うところですが…
石灰岩>苦灰岩(苦灰石)となります。
これは、苦灰石化作用によって化石の形壊れてしまうためです。

産出・産状

上記の通りマグネシウム水溶液+石灰岩の他、マグネシウムの多く含まれる変成岩の中(大理石・滑石片岩等)や熱水鉱脈にて方鉛鉱や閃亜鉛鉱等(鉛・亜鉛・銅の硫化鉱物)と一緒に産出されます。
※滑石片岩
滑石=タルク。変成岩で結晶片岩(片岩)の一つ。
珪酸塩鉱物で、水酸化マグネシウム+ケイ酸塩で成る。

産地はとても広く、スイス・アメリカ アイオア州/NY州・メキシコ・イタリアトスカーナ地方等が挙げられます。

結晶の形は菱面体もしくは板状の形ですこし曲がった(湾曲した)形であることが多く見られます。
粒や塊、時には繊維状でも産出されます。

元素番号12 マグネシウム

自然界にマグネシウムのみ単体での存在はありません。
いちばん身近なのは先に出ました海水。
海水中のマグネシウムの含有量は、海水から金属マグネシウムを年間1億トン生産しそれを100万年続けたとしても、海水中のマグネシウムの濃度はたった0.01%の変化しかないとのことです。
なんだかすごすぎてへぇ〜と何食わぬ顔でうなずいてしまうような話です(笑)

アルミニウム(例 1円玉)の⅔の重さで軽い金属です。
強度もあることから、工業製品に利用され自動車のホイールなどに使われています。
豆腐のにがりにも使われていますので食品としても広く認知されています。
また、女性の方は便秘薬として馴染み深い方も多いのではないでしょうか?
そして植物ではクロロフィルにマグネシウムが存在します。
これは葉緑素で緑のもと。
光合成で炭酸ガスと水から炭水化物を作り出す過程でマグネシウムはなくてはならないものです。
マグネシウムが欠乏するとクロロフィルが維持できない状態となり、葉は黄色く、元気がなくなります。

また昔のカメラですがマグネシウムを利用してフラッシュを使っていました。
いわゆるボン焚きです。

基礎データ

化学組成 炭酸塩鉱物  CaMg(CO3)2
白色 無色 灰色等
条痕 白色
結晶系 六方晶系
へき開 完全
硬度 3.5~4
比重 2.85

モロッコ産の薄いピンクの結晶をここのところ見かけましたが、(写真なくてすいません!)マンガンに一部が置き換えられていることがピンクの発色要因だそうです。
ちなみに、鉄に一部が置き換えられると淡い褐色となります。
また、水色のドロマイトもありますがこれは自然の放射線による発色とのことです。
そして、コバルトドロマイト(写真ピンク色)はコバルトイオンが含有したドロマイトです。
発色要因はコバルトです。

苦灰石グループ

[Mg] dolomite-苦灰石  CaMg(CO3)2
[Fe]    ankerite-アンケル石 Ca(Fe,Mg,Mn)(CO3)2
[Mn]    kutnohorite-クトナホラ石 Ca(Mn,Mg,Fe)(CO3)2
[Zn]    minrecordite-ミンレコーダイト
[Ba]    norsethite-ノーセス石

Ankerite アンケライト

苦灰石グループの仲間の一つ、アンケル石。
化学式はCa(Fe,Mg,Mn)(CO3)2
色は、淡黄色を基準に無色・白・灰色・褐色までバリエーションが有り、鉄分の量が多くなるほど色味が濃くなります。
菱形や塊、粒の状態で見られます。
※上記以外は基本的に苦灰石と変わりません。

Mg<Feであり、微量のMnを含んでいるこの鉱物は、オーストリア鉱物学者マティアス・アンケルにちなんで命名されました。
苦灰石と思われていたこのアンケル石は、分析の結果1825年新種とわかりました。
苦灰石のMgとアンケル石のFeが入れ替わる事があるため、肉眼での見分けは難しく、鉄分の量を分析して調べないとわからないそうです。

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TENDER TIME
小さい頃から石が好き。 そのまま大人になりました。 鉱物についてのブログを書き始めて、気がつけばいしのみせ TENDER TIMEの主となりました。

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