角閃石 amphibole

猿に見える!? 角閃石 amphibole

角閃石 amphibole とは

猿に見える!? 角閃石 amphibole
角閃石 amphibole
Novo horizonte Bahia Brasil

角閃石は60以上もの鉱物グループです。
斜方角閃石類と単斜角閃石類に分けられます。
また後述する、輝石とよく似ています。

それでは、代表的な仲間を見てみましょう。

普通角閃石

この普通角閃石 Hornblende は、角閃石グループの中で広く知られるもので、火山岩(安山岩や玄武岩)や変成岩や深成岩からも産出されます。
それぞれに少しづつ成分が異なっており、全く同じ成分とはならないことが多くあります。
もちろん見た目の色合いも黒~褐色、緑色の濃いものまであり、その形も六角形やひし形の柱状のものや、繊維状や粒状のものがあります。
また断面がぴかぴか光ります。
産出は非常に多く、有名なのは長野県富士見町の”六角石”があります。

緑閃石と透閃石(透角閃石)

緑閃石

透閃石(透角閃石) tremolite のマグネシウムの一部が鉄に置き換わったものが緑閃石 actinoliteです。
この関係から、”透緑閃石”・”アクチノ閃石”ともよばれ、その昔は陽起石(ようきせき)とも呼ばれたそうです。
陽起石の名前は漢方(中薬)で使われていたことが語源となっているようですが、現在鉱物名称としては使われていません。
薬の効用は…興味がある方はググってください!(笑)
ただ気になるのは、角閃石はアスベストの仲間。
…服用して問題があるような気がするのは私だけではないと思います…
現在では直接の服用は禁止されているとのことですが、買い求めに行く方がいらっしゃるようで、問題になっているようです。
また、緑閃石の結晶が緻密な塊状のものを、後述する”軟玉-ネフライト”です。
緑閃石は変成岩の一種、結晶片岩の中に産します。
ロシア・カナダ・日本・台湾等
日本では、埼玉県の秩父や愛媛県の新居浜などで見られます。

透閃石(透角閃石)

緑閃石の部分で”マグネシウムの一部が鉄に置き換わったもの”と書きました。
これは、透閃石は、カルシウムとマグネシウムを含んでいますが、ここに微量の鉄分が含まれる時があります。
そして、その鉄分の量が増え、マグネシウムの一部が鉄に置き換えられると緑閃石となります。

透閃石でピンク色のものがありますが、これはマンガンが含まれてピンク色になったもので、ヘキサゴナイト Hexagonite と別名があります。
また、無色のものもグラマタイト Grammatite の別名を持ち、きれいなものは宝石として扱われるそうです。

角閃石と輝石の見分け

角閃石は輝石とよく似ています。
両者の見分け方はOHがあるかないか。
含水鉱物かどうかという成分的な差と、へき開で見分けられます。

  • 角閃石 124度と56度に斜交
  • 輝石 87度と93度のほぼ直交

基礎データ

普通角閃石 Hornblende 透閃石(透角閃石) tremolite 緑閃石 actinolite
化学組成 珪酸塩鉱物 Ca2(Mg,Fe)4AlSi7AlO22(OH)2 珪酸塩鉱物 Ca2Mg5Si8O22(OH)2 珪酸塩鉱物 Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2
黒~褐色 深緑色 無・白・灰・淡緑・ピンク・褐色 淡い緑~濃い緑
条痕 灰褐色 灰緑色
結晶系 単斜晶系 単斜晶系 単斜晶系
へき開 完全 完全 完全
硬度 5.5~6 5~6 5~6

硬玉と軟玉

この二つはともに”ヒスイ”→”Jade・ジェード”と呼ばれていました。
このジェードは、1863年に軟玉(Nephrite・ネフライト)と硬玉(Jadeite・ジェダイト)に分けられることとなりました。
ちなみに軟玉・硬玉という名前は通称です。
軟玉は、角閃石からなり繊維状・針状の結晶の集合体が密に絡み合ったもので鉄を含んでいます。
硬玉はヒスイ輝石からなり、柱状の結晶が密に入り組んだものでクロム・鉄を含んでいます。

また、硬度は少しだけ軟玉のほうがその名の通り低く、比重も軟玉のほうが少し低いです。
硬度は硬玉が6.5~7、軟玉が6~6.5。
硬度6といえば、ナイフで傷をつけることができず刃が傷むとあります。
あまり硬い石ではなく、取り扱いに気を付けなければいけないのか?とも思ったりしますが…
以下の表は、靭性のトップ10です。
ご覧ください。

No.1 カーボナード 10
No.2 コランダム 8
No.3 軟玉 8
No.4 硬玉 8
No.5 ダイアモンド 7.5
No.6 水晶 7.5
No.7 ペリドット 6
No.8 エメラルド 5.5
No.9 トパーズ 5
No.10 ムーンストーン 5

カーボナードというのは、微細な黒いダイアモンドの集合体だそうで、へき開がないため、靭性が高いというものだそうです。
そのカーボナードの靭性を10としたときのトップ10です。
靭性とは、外的な力に対しての抵抗力、壊れにくい性質、粘り強さをいいます。
硬度はひっかいたときの傷つきやすさで、靭性は衝撃に対する抵抗性と考えるとわかりやすいと思います。
ダイヤモンドよりも硬・軟ともに靭性がある。
つまり、衝撃に対する強さがあり、壊れにくい性質を持つといえます。

さて。
中国で愛されている翡翠。
もともと軟玉です。
彫刻された置物など見たことがあると思います。
硬玉の有名な産地はミャンマーですが、このミャンマー産のものが中国内に入り流通し、軟玉・硬玉ともに流通し始めたのだろうということのようです。
宝石としてとってもお高い!いわゆる”本ヒスイ”や”琅玕 ロウカン”は、硬玉のこと。
よく帯留めなどに”本ヒスイ”というシールがあったりしますが、硬玉と軟玉を分けるためにこのような表示にしています。

軟玉と硬玉の見分けミニ知識

裏側からライトを当て見てみると、繊維のような線が走っているのがわかります。
その交差角度で判別できます。

kousa1
軟玉
交差角度が124度
硬玉
交差角度が93度

硬玉のほうが角度が広いため、斜めの具合が大きく走ることになります。
※画像の角度は正確ではないです。

意味 いわれ

悪いものから身を守るお守りやお札、儀式の際の道具として使用されていたとのことです。
軟玉と考えると理解しやすいかと思います。

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TENDER TIME
小さい頃から石が好き。 そのまま大人になりました。 鉱物についてのブログを書き始めて、気がつけばいしのみせ TENDER TIMEの主となりました。

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