石の基礎知識 色 条痕

色 の発生

鉱物の色は結晶と深くかかわっています。
光は赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の7つのスペクトルから出来ています。
結晶はスペクトルの中の色を吸収し他の色を反射し、この反射した色が鉱物の色となります。
赤く見える鉱物の色は、赤以外の色を全て吸収して、赤い色を反射しているということです。
全てのスペクトルを吸収してしまうと黒く見えます。

結晶は自然界でいろいろな要因をうけながら成長し、完璧な状態で成長することはほとんどありません。
自然界の中では、原子の配列にまず欠陥が出ます。
この欠陥こそに、鉱物の色の秘密があります。
この欠陥が原因となり、色が発生するからです。

一言で欠陥と言っても、色々な欠陥があります。
例を2つ挙げます。

1 結晶中に、微量な不純物元素が含有されていることが原因。
鉱物によって、同じ不純物元素でも結果は異なります。
クロムが鋼玉(コランダム)に入ると赤いルビーに、緑柱石に入ると緑色のエメラルドになります。

2 結晶構造中にあるはずの元素やイオン等が欠落してしまっていることが原因。
この場合、欠落してしまっている部分を空孔といいます。
更に、この空孔が着色の原因になっている場合はカラーセンターと呼ばれます。

他に、オパールムーンストーンのように光の回折が発色の原因であったりと多種多様な原因が考えられます。
もちろん、鉱物自身の結晶構造そのものが発色の原因となっている場合もあります。

自色と他色

自色
鉱物が自身の成分で作るもともとの色。
他色(タショク)
不純物や欠陥によって発生する色。

自然界では他色がほとんどです。

多色性と変色性

多色性(タシキセイ)

角度によって色が違って見えること。
これは、結晶のどの方向に光が通過するかで偏光の仕方が違ってくるためです。
多色性は結晶が異方性か等方性かで決まります。

異方性

物質が向きによって違う性質になること。
・二つの方向があるもの→六法晶系正方晶系
・三つの方向があるもの→斜方晶系単斜晶系三斜晶系
結晶軸の方向で光の速度が異なって進むために方向によって色の変化があります。

ルビー等のカットしたルースを思い浮かべてください。
カットした方向(光が入ってくる方向)によって色合いが微妙に変わりますよね。
(下のアレキサンドライトのキャッツが参考です。)

等方性

異方性とは逆。
等軸晶系はどの方向から見ても同じ色に見えます。

変色性

光源によって異なる色になること。
アレキサンドライトは自然光では緑色・白熱電球では赤に見えます。

 

条痕

鉱物を粉にした時の色を条痕色と言います。
見た目の色とこの条痕色は違って見えることがあるので、鉱物を見分けるときの手がかりの一つとなります。

やり方

素焼きの陶板
素焼きの陶板

素焼きの白い陶板(条痕版)に石をこすり付け、粉が何色か判断する。

なければお茶碗の底(つるつるしていないところ)でも大丈夫。
鉱物を少し引っかいて粉にして、白い紙にこすり付けてもOKです。
タイルの裏でもOK!

鉱物の見た目の色と、条痕色は必ずしも一致していません。
(黄鉄鉱は見た目は金色・条痕は黒っぽい。)
しかし、風化していない表面で調べる限り、鉱物の条痕色は標本によらず一定しています。
これを一貫性といいます。

つぶやき

”欠陥がきれいな色になる”

つるつるでクラックやインクルージョン(内包物)がなく、透明度が高いものがよいとされる石の一般的な価値観があります。
でもその、インクルやクラックが絶妙な味になるのです。
たとえば”琥珀”
虫が入っているものがありますよね。
また、太古の水が水晶の中に閉じ込められているものも。
クラックはそのクラックがゆえに、光を反射し、美しいレインボーがでます。

欠陥こそが美しさと個性の源。
欠陥は欠陥ではなく、何者にも代えられない素敵な個性ですね。

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TENDER TIME
小さい頃から石が好き。 そのまま大人になりました。 鉱物についてのブログを書き始めて、気がつけばいしのみせ TENDER TIMEの主となりました。

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