コベリン コベライト 銅藍 COVELITE
COVELITE Leonard Mine, Butte, Montana, U.S.A |
美しく研磨されたものなど、深い色合いに目を楽しませてくれてくれる銅藍。
イリデッセンス(光の干渉により角度を変えると虹色にキラキラと輝く現象)に心奪われる方も多いと思います。
読みはどうらん。
英名はコベライト・コベリンとも呼ばれ、イタリアの鉱物学者
Nicolas Covelli(ニコラス・コベリ)にちなんで命名されたとのことです。
銅の硫化鉱物
コベリンは銅の硫化鉱物。
硫化鉱物とは、金属・半金属と硫黄が結びついているものを言います。
特徴として、
- 対称性の高い結晶形
- 金属に似た性質(金属光沢・導電性)
- 硬度が低い
- 比重が高い
が挙げられます。
黄鉄鉱・白鉄鉱・辰砂・方鉛鉱・黄銅鉱などがあります。
※参考 硫化鉱物
見た目と重さ
そこで比重ですが…
比重は、同じ体積の水を1とした時のその石の重さ。
同じ大きさでも重さが違うことです。
鉱物の比重は2~4の間が多く、2くらいまでは軽い鉱物、4以上は重い鉱物となります。
コベリンの比重は4.7。
見た目よりずっしり感のある鉱物です。
※参考 比重
炎色反応
熱すると青い炎で簡単に溶けてしまいます。
炎色反応とは、炎の中に鉱物を入れると、特有の色の炎になるものがあります。
鉱物に含まれる元素が、化学変化を起こすためにこの反応が出ます。
銅は青緑色になります。
参考 炎色反応
産地 産状
コベリンは、一次鉱物・二次鉱物・火山ガスの昇華物とその生まれは3つあります。
- 一次鉱物 熱水鉱脈に存在
- 二次鉱物 黄銅鉱 斑銅鉱 輝銅鉱などの硫化銅の酸化により存在
- 昇華物 火山の噴火口から出たガスが昇華して存在
昇華は命名由来となったイタリアの鉱物学者 Nicolas
Covelli(ニコラス・コベリ)が発見したと言われる、ベスビオ火山のコベリンがまさしくそうとのこと。
日本では、群馬県入山(いりやま)で産出しています。
コベリンの昇華物としての存在はとても稀で、一次・二次がメインです。
有名産地としては、先述のイタリア。
イタリアは現在はほとんど見られなくなっています。
アメリカモンタナ・アリゾナ・コロラドなどが有名です。
モンタナ州のコベリンは近年、少なくなってきています。
銅藍の銅の含有率は60%超え。
銅鉱石として採掘の対象としている鉱山もあります。
基礎データ
- 化学組成 硫化鉱物 CuS
- 色 藍色
- 条痕 灰黒色
- 結晶系 六方晶系
- へき開 一方向に完全
- 硬度 1.5-2
- 比重 4.7
へき開は薄いうすーい板状に剥がれ、ふにっと曲がります。