スティブナイト 輝安鉱 STIBNITE
STIBNITE Hunan Province, China |
輝安鉱(スティブナイト)は、光沢のある金属っぽい見た目ですが、実はとても柔らかい鉱物で、硬度は2。
指の爪で何とか傷をつけることができる程度の硬さで石膏が指標鉱物となっています。
金属元素であるアンチモン(Sb)の原料として使われる鉱石です。
アンチモン Sb
アンチモンは金属元素の一つで車のバッテリーが身近かなと思います。
(鉛蓄電池)
プラスチックなど、そのままでは熱に弱いものでもこのアンチモンを少し添加すると燃えにくくなります。
耐火性の向上での使用や、他に、ガラスやセラミックなどの染料としても使われています。
またその昔は化粧品に使われていました。
ですが、このアンチモンは毒性が強く、代替のものを使うようになってきています。
アンチモンの名前と元素記号の由来
この元素記号のSbですが、輝安鉱の鉱物名からつけられています。
アンチモンはANTIMONY→ギリシャ語で孤独を嫌うという意味のANTI-MONOSが元素名の由来で、元素記号の方は輝安鉱をさすラテン語のSTIBIUMからとのこと。
命名に関しては諸説あるようですが、個人的に孤独を嫌う説が好きです(笑)
単体で見つからないということからのようですが、このテラテラのかっこいい見た目から、孤独を嫌う…
ちょっとクスッとしてしまうのは私だけでしょうか?
産出 産状
熱水鉱脈に産し、黄鉄鉱や石英、辰砂、方鉛鉱、閃亜鉛鉱などと共生します。
中国湖南省が産地として有名です。
また日本も良質の輝安鉱が採取されることで有名で、海外の博物館に展示されるほどの美しさです。
ですが国内にはあまり残っていないという現状があります。
ルーマニア・ペルー・イタリア・ボリビアなどでも産します。
基礎データ
- 化学組成 硫化鉱物 Sb2S3
- 色 鉛灰色
- 条痕 鉛灰色
- 結晶系 斜方晶系
- へき開 完全
- 硬度 2
- 比重 4.6