ローマングラス Roman glass

ローマングラス Roman glass
Roman glass

ローマングラスとは、ローマ帝国内でローマ時代(AD27-BC395)に作られたガラス器のこと。
この時代に作られたガラスが地中に埋もれ、ガラスの成分であるケイ酸や酸化アルミと、土の中に存在する銅・鉄・マグネシウムなどと長い長い年月をかけ反応するとローマングラス特有の表面がきらきら光る”銀化”となります。

宝物から日常へ

ローマングラス Roman glass
Roman glass

紀元前一世紀までのガラスは、型を利用した不透明なものでした。
型を使うことにより大きなものは作成ができず小型のもののみで、量産もできなかったため宝物という地位でした。
ですが紀元前一世紀中頃シリア地方で発明された”吹きガラス”の製法が一気に広がったことが、透明なガラスと日常で使用するに十分なものに変化を遂げました。
型を利用し一つ一つ作成していたものが吹きガラスという製法の発明によって量もたくさん作ることが可能となったことから、ガラスの値段は1/200にも下落したとのこと。
宝物から日常品へと大変身しました。
このような現象は今でもありますよね。
印刷技術が進歩し本が庶民にいきわたり、そして今やPCでの情報が身近となりました。
子どものころに図書館に通っては眺めていた買えなかった高い本が電子ブックへなろうかという時代ですね。

ローマングラス Roman glass
Roman glass

ローマングラスの広がりと銘

ローマングラス Roman glass
Roman glass

ローマングラスはローマ帝国内の発見のみならず、それ以外の場所でも発見されており、貿易の広がりがわかります。
ユーラシア大陸全域・アフリカ東岸・アフリカ北岸でも発見されています。
ローマングラスに”銘”があるものが発見されています。
ギリシア文字とラテン文字、合わせて320名ほどの銘が判明しているとのことです。
詳しい貿易地図の完成ですね。
遠い昔の異国の文化がローマングラスというものによって身近に感じられます。
宝物から日常品へ、そしてまた長い長い年月をかけて宝物へ変身したローマングラス。
そう思って眺めてみると、ちょっといい時間が過ごせます。

ローマングラス Roman glass
Roman glass