モスコバイト 白雲母 Muscovite
Muscovite |
和名 白雲母(しろうんも)
ぺりぺりと薄く何枚にもはがれることからこの別名が付きました。
その一枚一枚はとても薄く、透明感もあり、弾力があります。
そして絶縁体としてアイロンや真空管等、いろいろな電気製品に活用されています。
別名 千枚はがし
絶縁体とは熱や電気を伝えにくい性質をいい、薪ストーブの窓などにもこの性質を利用して活用されています。
雲母の仲間はとても多く、以下に白雲母の仲間をいくつか記載します。
Muscovite 千枚剥がし 薄くむけます |
Muscovite 千枚剥がし 層状の構造です |
セリサイト SERICITE
和名 絹雲母
白雲母の仲間で、粉状の塊にて産出されます。
化学式は白雲母と同じです。
愛知県北設楽郡東栄町の粟代鉱山で採掘されるセリサイトは特に純度が高く有名で、三信マイカとして化粧品利用されています。
フックサイト FUCHSITE
Fuchsite |
白雲母の仲間で、クロムを含む緑色の白雲母です。
化学式 K(Cr,Al)2(AlSi3)O10(OH,F)2緑色の濃さは、クロムの量で決まります。
グリーンアベンチュリンはクロムによって緑色になった水晶で、キラキラするのはこのクロム雲母です。
またフックサイトの中にルビーがあるものはルビーインフックサイトと呼ばれます。
基礎データ
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化学組成 珪酸塩鉱物 (フィロケイ酸塩鉱物)
KAl2(Si3Al)O10(OH,F)2 - 色 無色・灰色・白色・淡褐色・黄色等
- 条痕 白色
- 結晶系 単斜晶系
- へき開一方向に完全
- 硬度 2.5~3
- 比重 2.8~2.9
きら きらら
Muscovite |
和名 白雲母(しろうんも)とお話しましたが、日本読みは”きら・きらら”。
聞いたことがあると思います。
絵の具でも雲母は使われています。
そして、日本ならではのこの2つ。
- 雲母引き
紙に雲母の粉末を混ぜ込んだ溶液を塗布したもの。 -
雲母刷り
浮世絵で用いられる方法で、版木に糊やにかわをつけて一旦紙を刷り、そこに細かくした雲母の粉をパラパラとまき、乾いた後に余計な粉を払い落としたもの。
和を感じさせます。
吉良上野介と雲母の縁
きら→吉良→吉良上野介、そう、忠臣蔵のあの人です。
清和源氏の流れを組む吉良家。
源義家の孫、足利義康が始祖です。
そしてこの足利義康の孫、足利義氏が三河国吉良荘(きらのしょう)を与えられ赴任。
ここから、足利→吉良に名前を変えています。
八ツ面山より雲母が採れ、この山の別名は”きら・きらら山”といったそうです。
続日本紀より、
和銅六年(713)五月七日
「大倭参河をして並に雲母を献(たてまつ)らしむ」
今の奈良県と愛知県から同じように雲母を献上させたとあり、和漢三才図会より、
「参河雲母山に多く出て良く」
愛知県の雲母山→きらら山はいい雲母がいっぱいでるよとあります。
その昔から、雲母が取れることは間違いなく、この雲母の”きら”という呼び方から”吉良”という地名が生まれ、それを知った足利義氏は姓を改めたとのことです。
そして吉良上野介はその子孫となります。
愛知県幡豆郡(はずぐん)吉良町は、2011年4月1日より西尾市に編入合併され、吉良町という地名はなくなってしまっています。
時代の流れとはいえ、寂しい限りです。
そしてこの吉良上野介、悪人として描かれていますが実際は名君として人気があったそう。
以前、TVで本当は…というニュースでしたか番組でしたか見た記憶があります。
治水関係に力を尽くしたそうです。
忠臣蔵・赤穂浪士の話が有名になればなるほどこれでもかの悪人として有名となってしまい、いろいろな尾ひれがついて切なく思う方も多いとのこと。
有名になればなるほど、クローズアップされますが、大切な部分が抜け落ちてしまうことも多いと思います。
個人的にですが、完全な悪人も完全な善人もこの世にはいないのではないかなぁ…と思います。
意味 いわれ
STAR MICA Itinga Minas Gerais Brazil 黄色のお星様はスター・マイカと呼ばれる白雲母です。 |
この石は、どんなに今が夢と離れてしまっていても心に持ち続け、それを励みに日々を送っていける。
そんな場面が似合うような気がします。
星を眺めるにもいろんな気持ちがあると思いますが、静かに見つめてそれと同時に自分の気持ちを見つめる。
そしてしばらくして、さて、明日もがんばろ☆と思う。
静かに自分を見つめ、見つめるという作業で不満や不安な気持ちがリリースされるというような意味合いがよく言われています。
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